イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第107回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。つづいては後編です。(前編はコチラ)
【第3位】
株式会社ミヤツグ
品 名:モストロ
<コメント>
ミヤツグオリジナルレザー。オイルをたっぷりと染み込ませ、パラフィンワックスを手塗りすることによってしっとりと滑らかな肌触りを実現。 カラーは全27色。ライフスタイルに合わせたカラーリングと独特のエイジングを存分に楽しめる自慢のオリジナルレザーです。
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創業70年以上の歴史を持つ株式会社ミヤツグは、創業者宮前末次の「信用第一」という意志を土台に、二代目の宮前潔志が発展させた幅広い分野での革商の道を三代目の宮前健次郎が引き継ぎ、今なお走り続けて成長してきました。
そんな想いを背景に同社の長い歴史と共に歩んできた極めのいち素材『モストロ』について、EC事業部で活躍されている前田拓也氏にお話を伺いました。続いては後編です。
―どのような市場がビジネスチャンスとなりますか?
市場に出て長い年月が経つ商品で人気もある革ですが、実は、極めのいち素材で『モストロ』を出展するのは前回で3回目になります。その3回目で初めて賞をいただくこととなり、そういった点も踏まえると、『モストロ』の成長こそミヤツグにとって新しいビジネスチャンスになると思っています。SNSやキャンペーンを通じて顧客との対話を図り、革の魅力を伝えることで革の育成とともにビジネスを成長させ、これからも市場拡大を目指していきます。
―今年3月にレザーの定義がJISで制定された件についてどう思われますか??
私の考えでは、レザーという定義がしっかりと線引きされたことはとても大事なことだといえます。歴史ある業界でグレーな部分も多い中、「何がレザーで、何がレザーではないか」という核となる話題に踏み込んだのは、皮革を販売していく私たちにとって非常に意義のあることです。
―皮革業界として「今、何を為すべきか?」など、ご意見ありますか?
皮革業界の役割は今も昔も変わらず、動物の革を大切に扱い、無駄なく消費者に還元することだと考えています。単に革を仕入れて売るだけでなく、革と消費者をつなぐ架け橋として、革問屋にしかできない魅力ある革の発信をすることが私たちの役目だと思っています。イタリアに「植物タンニン鞣し革協会」という団体があるのですが、私たちは実際に現地へ取材に行き、そこで得た情報を私たちなりに解釈し、制作した動画を東京レザーフェアのブースで流したりと、発信にはかなり力を入れています。
―御社のオンラインによる取り組みなどありますか?
オンライン販売では、店頭と違って実際に手に取って確認できない分、注文された革が想像と異なることでトラブルに繋がることもあります。革は食肉の副産物として私たちが授かった貴重な天然資源で、どうしても個体差や色ムラが出やすく、工業製品のように画一的なものではありません。そのため、ミヤツグブランドとしてのクオリティを維持するため、品質管理や検品を徹底すると同時に、オンライン上でも天然皮革ならではの個性を楽しんでいただけるよう、できる限り革の魅力が伝わる発信を行い、イメージのギャップを埋める努力を続けています。また、卸とは異なるターゲット層に向け、より多くの方々に親しんでいただけるような企画も重視しています。
―来場者の方々へメッセージをお願いします。
いつもは、カジュアルラインな革を取り揃えているのですが、今回少しテーマを変えてラグジュアリー系の高級革を並べた展示コーナーを設けています。それこそハイブランドで実際に使われているインポートレザーなどを取り揃えています。その他にも雑誌で取り上げられた『たつのハンドワックスレザー』やイタリアから植物タンニン鞣し革協会加盟の『マヤ・ベリー』でお馴染み「IL PONTE社(イルポンテ)」が来日され、ミヤツグと共同出展という形でブース内に常駐しています。通訳もいますので、イタリアのタンナーと話せるまたとない機会をご用意しています。また、Instagram革販売のミヤツグ @miyatsugu.leatherをフォローして頂けましたら通常、有料販売しているサンプル帳を、なんと3種「無料」でプレゼントいたします。是非お気軽にお立ち寄りください。
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各団体・企業情報はこちらから。
株式会社ミヤツグ(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/miyatsugu/
株式会社ミヤツグ 公式サイト:https://www.miyatsugu-store.jp/