イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第105回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。まずは前編となります。(前編はコチラ)
【第2位】
株式会社寿屋
品 名:ネイキッド
<コメント>
革そのまま、素のままの表情。 吸いつく手触り。 一度は触れて下さい。 革らしさだけでよくないですか?
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昭和三十五年に前身である「寿屋商店」として創業以来、自然への感謝、お客さまへの感謝、そして働き手の社員への感謝を忘れずに、ここ大阪市浪速区に本社を構え、長い年月革に携わってきました。
そんな同社が革と本気で向き合った結果、新しく生まれた極めのいち素材『ネイキッド』について、開発に携わった奥弘之氏にお話を伺うことができました。続いては後編です。
―どのような市場がビジネスチャンスとなりますか?
今まで何度か極めのいち素材で上位を取らせていただきましたが、やはり「いち素材」という考えで開発した革はどうしても単価が上がってしまうことが多いので、実際の市場に乗せるのがなかなか難しい商品になってきます。それに比べ、今回の『ネイキッド』は単価もある程度抑えることができるので、普通に市場でのビジネスチャンスは広くなったといえます。弊社の取引先は小物やバッグなどの袋物や靴が多く、アパレル関係は少なかったので、この『ネイキッド』をアパレル方面に向けて新たな市場を開拓できればと思っています。
―今年3月にレザーの定義がJISで制定された件についてどう思われますか?
これは皮革業界にとっても大きな前進になったんじゃないですかね。SNSを見ていても徐々に名称が変わってきているところも目にしますし、今までがなあなあになっていた分、お客さんからもレザーの定義付けがされて良いことだと言われています。これによってレザーの価値も変わってくるんじゃないでしょうか。
―皮革業界として「今、何を為すべきか?」など、ご意見ありますか?
弊社は原皮を取り扱っているということもあり、国産の原皮が余っていることをどうにかしていきたいと考えています。弊社も海外のインポートものを扱ってはいますが、日本では無いものだったり、質が良いものだけに絞っていて、7割ほどが国産の革になります。極めのいち素材で世に広めるのもその一環にはなりますが、もっとジャパンレザーの良さを世の中に伝え、広めていくことが重要だと考えています。
―現在、御社が取り組んでいることなどありますか?
取り組んでいることとは違いますが、世に残るような寿屋ならではのオリジナルレザーを作りたいですね。以前、極めのいち素材で展示していた『オリガミ』や『防水ソフトシュリンク』ももちろんオリジナルではあるのですが、せっかく原皮を扱っているので、鞣しの工程からの全く新しいオリジナルを世に出せたら良いなと思っています。私自身レザーソムリエの資格を取っているので、この資格をもっと世に広め価値あるものにしたいと常に考えています。そのためにも「レザーソムリエが作る〇〇レザー」というようなアイキャッチ的な商品ができたら、レザーソムリエのブランディングにも役立つと思います。
―来場者の方々へメッセージをお願いします。
今回のブースではこちらの『ネイキッド』ももちろん展示していますが、さらにこの素上げの進化版も展示する予定です。厚みが0.3mmと超極薄で加工をしていない分、ものすごく軽いレザーに仕上がっています。薄さの割に丈夫さも兼ね備えているので、様々な用途にご使用いただける商品となっております。「軽い」というテーマで展示しているので、その他にも何点か軽い素材をご用意しております。ぜひ、見て、触って、素上げのタッチ感を肌で感じてください。
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各団体・企業情報はこちらから。
株式会社寿屋(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/kotobukiya/
株式会社寿屋(公式サイト):https://www.v-kotobukiya.co.jp/