2022.12.19

【極めのいち素材】第103回 第3位 相川商事株式会社(前編)

イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第103回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。まずは前編となります。

【第3位】
企業名:相川商事株式会社
品 名:レペル
<コメント>
クロームでもタンニンでもない環境に配慮したウェットホワイトレザー。革本来の味やタッチを活かしつつ、水に強く、汚れにも強いという機能的な特徴を加え進化させました。
=============

創業約50年の相川商事株式会社は、拠点を移しながらも常に皮革の事を第一に考え、時代と共に成長を続けてきました。こだわりが凝縮された極めのいち素材『レペル』について、担当者の秋山恵介氏にお話を伺いました

―この素材の特徴をお聞かせください

この素材の最大の特徴としては、クロムでもないタンニンでもない環境に配慮した新しい鞣しによるサスティナブルレザーというのが、この革のコンセプトになります。ヨーロッパの方でもそうなのですが、昨今の風潮で環境に配慮したモノづくりというものがどこの業界でも謳われています。皮革業界もそうなのですが、皮を鞣すときの薬剤としてクロムフリー(メタルフリー)を使用した環境革が注目を集めています。クロムが悪いというわけではないのですが、クロムやタンニンに代わるものとして、この環境革が生まれ始めました。弊社の工場では原皮から仕入れて、そこでこのクロムフリーの鞣しを行うことで、より環境に対して配慮しているということを謳って行ければなと思っています。革の素材としての特徴は、クロムなどと違い革に粘りがあります。なので、革の本来の強さは引き出せたんじゃないかと思っています。また、色の出し方も今までのクロム鞣しのような青白い感じではなく、より透明感のある白をベースとして出すことができました。そのため、染色する際に彩度の高い色も出せるようになりました。柔らかいタッチ感と軽い革なので、汎用性が高く様々な製品に合うと思っています。

担当者の秋山恵介氏

―素材開発のきっかけとなった背景をお聞かせください

私たちはこの鞣しのことを『TORNAT(トルナット)』と呼んでいるのですが、実はこの鞣し自体、15年前ぐらいから存在していました。そのぐらいから弊社では環境に対してのモノづくりに携わっていたのですが、その頃の日本はエコエコ言い過ぎて、エコに対する観点があいまいになっていた気がします。そういった背景もあって、この鞣しもなかなか市場に浸透しにくかったのかと思います。そんな中、昨今のヨーロッパの動きも手伝ってサスティナブルの時代にやっと突入したかなと思い、今回の素材づくりにこの『TORNAT(トルナット)』を採用しました。

―製作にあたって苦労したことなどありますか?

髙津氏:長年、極めのいち素材の担当をやらせていただいていて、何か面白い革がないかと常にアンテナを張っているのですが、そんな折、長坂染革さんのところでこの革を見つけました。いくつかある「あんこ」の中からこの『ヴィンテージ』を選んだのですが、なんと言っても、まず見た目のインパクトが強かったですね。そして、この革ができる過程などをお聞きしたときにまさしく唯一無二の一点もの、これこそが「極めのいち素材」だと感じ、出展させていただきました。

―今回の革の特徴をお聞かせください。

まだ新しく取り入れた鞣し剤なので、今まで実績があるクロムやタンニンに比べると思った商品と違うものになったりと問題も多くあります。まだまだデータ集めをしながらの素材づくりをしているので、納得のいく完成品はまだまだ未知数だと思われます。そうした開発段階の中で、納得のいく合格点に到達したのが、この『レペル』という素材になります。

(後編につづく)

=============
各団体・企業情報はこちらから。

相川商事株式会社(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/kuboryu/
相川商事株式会社 公式サイト:https://www.aikawa-shoji.co.jp/