2022.12.21

【極めのいち素材】第103回 第3位 相川商事株式会社(後編)

イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第103回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。つづいては後編です。(前編はコチラ

【第3位】
企業名:相川商事株式会社
品 名:レペル
<コメント>
クロームでもタンニンでもない環境に配慮したウェットホワイトレザー。革本来の味やタッチを活かしつつ、水に強く、汚れにも強いという機能的な特徴を加え進化させました。
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創業約50年の相川商事株式会社は、拠点を移しながらも常に皮革の事を第一に考え、時代と共に成長を続けてきました。こだわりが凝縮された極めのいち素材『レペル』について、担当者の秋山恵介氏にお話を伺いました

―どのような市場がビジネスチャンスとなりますか?

イタリアのリネアペッレに展示させていただいたのですが、この素材は神戸牛を使用しているので、日本の神戸牛とクロムフリーを謳い文句として展示していたところ、海外のブランド企業様からサンプルを付けさせていただいたりと、思った以上の反響を受けました。環境に配慮した製品はこれからの付加価値として大事な要素になってくるのかなと実感しました。ただ、今回はリネアペッレの展示ということでヨーロッパに行きましたが、目標としてはアジア圏の市場拡大を目指したいと考えています。

―サスティナブルとの関連性などございますか?

先ほどお話ししたようにクロムでもないタンニンでもない環境に配慮した鞣しがサスティナブルとしての特徴になるのですが、詳細を申し上げると、この鞣し方によって水の使用量を40%削減したり、排水の塩分を80%削減したり、作業工程を大きく省くことができるため、時間短縮にも繋がったりしています。これらの特徴が含まれることで世界規格の『エコテックス®レザースタンダード』の認証も取得することができました。

―御社の考えるSDGsな取り組みなどございますか?

ヨーロッパの方は日本に比べて環境に対する意識が特に高いと思います。弊社はヨーロッパにも事務所があるので、本場の熱を肌で感じており、そういっ た意識を高く持って仕事しています。サスティナブルというのは、特に意識することなくもう当たり前のこととして開発し、よりクオリティの高い素材づくりや 市場にあった素材づくりを目指すことが今後の目標になってきています。

―皮革業界として「今、何を為すべきか?」など、ご意見ありますか?

産業の歴史が長いほど考え方だったり、やり方だったりが確立しているところがあります。私たちも含めて言えることではありますが、今が完璧だと思わないことが大事だと思っています。今やっていることがゴールだと思わず、もっと上があるのではないか?効率よくすることができるのではないか? と常に疑問を持つことが成長へと繋がると思っています。やはり業界自体を盛り上げるとなると日本全体でこのような考えを持つことが大切だと思います。

―現在、御社が取り組んでいることなどありますか?

取り組んでいることとは違いますが、弊社は工場を持って約3年になるのですけど、工場を持ったことで様々な取り組みに挑戦できるようになりました。今までももちろん取引のあるタンナーさんに素材開発の協力を得られていましたが、自社工場があることでクライアントの要望へのレスポンスも早くはなりますね。

―来場者の方々へメッセージをお願いします。

みんなが革を好きになってもらうことが一番のTLFの目標だと思っているので、とにかく実際に触ってもらって、革を感じてもらいたいと思っています。弊社のブースでは『レペル』以外にも様々な環境に配慮した革も取り扱っていますし、イタリアの革も多数ございます。長い間コロナの影響で業界自体冷えきった状態が続いていたとは思いますが、弊社では革を見つめなおし素材の良さをアピールした商品を多数ご用意しています。ご来場の際は、ぜひお立ち寄りください。

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各団体・企業情報はこちらから。

相川商事株式会社(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/kuboryu/
相川商事株式会社 公式サイト:https://www.aikawa-shoji.co.jp/