イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第108回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。つづいては後編です。(前編はコチラ)
【第3位】
墨田革漉工業 株式会社
品 名:ルーヴィード
<コメント>
環境に優しいクロムフリーの革にカッティングを施し、まるで高級絨毯を思わせる芸術的な素材に仕上げました。
柔らかな質感と高級感を備えた素材は、特別の美しさと独自のデザインで贅沢な空間やスタイルをつくり出すことができるでしょう。
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―どのような市場がビジネスチャンスとなりますか?
豚革というのはもともとが靴の裏革としての用途が多かったこともあり、表舞台に立たせることができる豚革としての用途も広がりました。革のダメージ素材のような印象で、今回はバッグを製品サンプルとして作っていますが、他にも衣料革としてファッション性の高い用途として使うことができる革だと言えます。また、ピッグスキンということもあり、地場で一貫した生産が可能なため、ジャパンレザーとしての背景を持った価値のある商品になります。
弊社は問屋とは違って加工屋になりますので、自社で作ったものを商品として出しています。そのため、他所とは違った特殊な革を多く扱っていますし、お客さまと直接話をして、新たな加工革を作ることもできます。それが弊社ならではの特徴だし強みだと思っています。
―御社のオンラインによる取り組みなどありますか?
特に力を入れているというほどではありませんが、顧客としては一般ユーザーより問屋さんからの外注加工が多いので、業者向けのホームページは開設しております。そちらでは、各加工の紹介やサンプル画像を確認することができるようにしております。実際、問い合わせもありますので、今後ももっと力を入れていきたいとは考えています。例えば、転写したい画像をデジタルデータで入稿してもらってインクジェットで出力することもできるので、そういう方向にもできればいいと思います。
―皮革業界として「今、何を為すべきか?」など、ご意見ありますか?
皮革業界とは違う話にはなってしまいますが、イタリアにあって日本にないものとして転写紙のフィルムの内製化ができないかなと思っています。転写紙自体は国内のもありますが、革に合うものがないので、弊社ではイタリアの方から仕入れています。昨今の円安や関税といった影響、世界情勢による国際運賃の高騰などにより、原価高に陥ってしまう状況をどうにかしないといけないですね。
―来場者の方々へメッセージをお願いします。
東京レザーフェアでは国内から海外まで多種多様な革が展示されています。見るだけでなく、実際に触ってスタッフの方々とお話をしていただき、革の背景や魅力を感じていただければと思っています。弊社は東京製革業産地振興協議会のブース内で展示しています。毎回メイドインジャパンに特化した革を出展しておりますので、どうぞご期待ください。他にも様々な加工に対応しており「このような革が欲しい」など、お客さまのご要望に合わせた加工の提案も承っております。
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各団体・企業情報はこちらから。
墨田革漉工業 株式会社(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/tokyotoseikakugyou_santishinkoukyougikai/
墨田革漉工業 株式会社 公式サイト:https://www.sumidakawasuki.com/