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市場は広げても、初心は忘れない
大阪市浪速区にて、昭和35年に創業した(株)寿屋。メーカーへの販売・提案のみならず、近年では小売にも注力しています。現在、縮小傾向にある皮革業界。その中で、一般の消費者にも、革の魅力を知ってもらう必要があると、営業担当の奥氏は語ります。また、小売業の拡大の中で、改めて気づかされたのが、同社のモットーとしても掲げられている「お客様や生き物への感謝」です。天然皮革の小さなキズも、はじめて革を買う人には懸念点となります。それを丁寧に説明する中で、皮革が生き物の恵みであることを実感しているのです。
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育った場所が、ブランドになる
同社がもつ大きな特長として挙げられるのが、原皮の仕入れを行っている会社をオーナー企業に持っているという点です。そのメリットを活かして、現在進めている新たなプロジェクト。それが「原皮のブランド化」になります。これまでは、大きく「国産」と分類されていた日本でとれた原皮を、産地ごとに細分化することで、それぞれの革が持つ特性などにスポットを当てるという考え方です。安定した原皮調達が可能である環境にいるからこそできるこの取り組みに、業界からの注目も集まっています。
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他社との差別化は日常の景色から
「街を歩く人たちが持つカバンや定期入れには、無意識のうちに注目してしまう」と語る奥氏。他社と同じ革を扱っていては選ばれないという認識から、常にアンテナを伸ばし、個性のある商品をラインナップしています。その代表的なものが、箔押しや型押しなどを施した加工物です。しかし、単に奇抜であるだけでは、クライアントの目にはとまりません。トレンドを意識しながら、バランスを見極めて、企画に落とし込む。それを繰り返し、協業するタンナーとの共同開発でうまれる、次なるオリジナルレザーに期待が膨らみます。