2023.06.19

【極めのいち素材】第104回 第2位 株式会社 協進エル(前編)

イマジネーションと技術が織りなす、素材(皮革と布帛)・副資材(機能性素材やパーツ)など各社渾身の一点を提案する『極めのいち素材』。第104回東京レザーフェアにて、人気投票でTOP3を獲得した企業へのインタビューを掲載します。まずは前編となります。

【第2位】
株式会社 協進エル
品 名:絹革
<コメント>
生後6ヶ月以内のカーフを使用。「絹」のようになめらかで、やわらかく、「包む」ことができる革として開発されました。
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昭和二十二年創業の株式会社協進エルは、タンナーをやっていた経験もあり、原皮から鞣し、革に至るまでの知識を生かし、企画・ディレクションなど生産者と消費者の架け橋なども行っています。そんな同社から、日本の伝統である風呂敷『包む』をテーマに作られた「絹革」について、担当者の大川祐也氏にお話を伺いました。

―この素材の特徴をお聞かせください

革で物を包むというテーマで風呂敷をイメージした革になります。また、『包む』ということ自体が日本独特の文化なので、そういった面でもジャパンレザーとしての役割を考えた極めのいち素材になるのではと思い、開発に至りました。今までもソフトレザーなどの 柔らかい革、軽い革といった革はたくさん出ていましたが、どれも形を作るという前提があったため、柔軟性もあるけども形が崩れないような革でした。今回開発した『絹革』に関しては、包むことが可能なほど、極限まで漉いています。そのため、一方向への繊維だけでなく、生地のように自由な動きのできる革となっております。また、生後6ヶ月以内のベビーカーフを使用しているため、銀面は驚くほどの柔らかいタッチ感が生まれています。

―様々な色に対応していますか?

実は色によって風合いがかなり変わってしまいます。この『絹革』の柔らかさを求めた場合に一番合っているカラーはペールトーンカラーの薄い色になります。黒などの濃い色の場合、若干硬くなってしまいます。それでも『包む』という特徴を失うほどではありませんが、『絹革』本来の風合いが一番生きるのは、このペールトーンカラーだと言えます。

担当者の大川祐也氏

―製作にあたって苦労したことなどありますか?

このタッチ感を出すことが一番苦労しました。ただ単純に柔らかくするだけであれば、油を入れれば柔らかくなるのですが、そうすると銀面が浮いてきて仕上がりがどうしても甘くなってしまいます。柔らかさとタッチ感、そしてあとは革本来の強度をどこまで維持させるか・・・といったバランスの調整に苦労しました。

―想像通りのものが出来上がり ましたか?

そうですね・・・昔から付き合いのあるタンナーさんで設備もしっかりと整っているところなので、絶対的な信頼を寄せていましたし、何度も試行錯誤していく中でいくつもの試作品の中でも「これだ!」と思うものを出品しています。床面のフェルト感も木目が細かく仕上がっていて、ベビーカーフならではの味も感じられますので想像以上の出来になったと思っています。

(後編につづく)

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株式会社 協進エル(MEMBERページ):https://tlf.jp/member/kyoshin-elle/
株式会社 協進エル(公式サイト):http://www.kyoshin-elle.co.jp/