皮革業界に吹く新たな風。独自の販売戦略の徹底で、逆境の時代に挑戦する。

平成21年の創業と、老舗が軒を連ねる皮革業界において異彩を放っているのが（株）イデアルです。しかしバングラデシュ製のレザーに特化することで確立したそのポジションは、すでに揺るぎないもの。代表の塚本氏が現地に足繁く通い、原皮の買付けからタンナーとの打ち合わせなどを行っていく中で、圧倒的な信頼感を獲得してきました。その人脈を活かし、現在では、現地の生産工場と、日本のメーカーをつなぐ仲介・コンサルティング事業の領域でも腕をふるっています。

汎用性や色数、短納期、低価格など、顧客にとっての「便利さ」が揃っているのが、バングラデシュレザーを扱う同社の特徴。これらの実現には、独自の販売戦略があります。例えば商品ラインナップは、年に二回発表される新作を、すべて定番商品に変換。また自社にて在庫を豊富に抱えておくことも、卸商としてのこだわりです。さらに下地も、一定数を国内で確保することで、万が一在庫が足りない場合でも、国内での染色、提供を可能にしています。日本トップクラスの取引高を誇るスケールメリットと、特恵関税を活かす。さらにそこに、企業努力を重ねることで、利便性を極限まで高めているのです。

業界内で、独自の路線を歩み続けるためには、常に新たな挑戦が求められます。現在、同社が注力しているのが、個人向けの販売。オンラインショップの充実だけでなく、ショールームを定期的に開放し、実際に商品を手に取った上で購入できる場を提供しています。また、商品管理システムの導入で、クライアントが最新の在庫数を、自社内で確認できるようにする構想もあるとのこと。若手社員の多い「革のベンチャー」として、思考と行動が直結したスピード感こそが、同社の躍進の原動力となっています。