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「僻地」から、海を越えて、世界へ
三重県名張市。東京はもちろんながら、大阪からも遠く離れたこの地で、平成5年に創業したのが、(有)松本企画事務所です。自宅を増築してつくられたオフィスは決して大きいものではありませんが、その事業内容はとても大規模。創業から約10年間は、国内大手アパレルメーカーの靴やバッグに関する製造企画に携わり、その後、現在にいたるまでは、革の加工と販売をメインに行っています。その両方において取引を行っているのは、ビッグブランドばかり。世界的に高い評価を受けていることが分かります。
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独自の技法に、再現性をプラス
同社の商品が選ばれ続けている理由のひとつが、独自の着彩技術です。スクリーンプリントや型押しされた素材に、代表の松本氏とスタッフが相談をしながら、色の調合や配色、着色を行います。手作業ならではの繊細さを感じさせるその仕上がりは、もはや芸術の域。一色だけで使うことはなく、必ず複数の色を混ぜ合わせて、深みを表現していきます。さらに目を見張るべきは、商品サンプルの横に添えられたメモ書き。顔料の調合や使用した筆、どれくらいの強さで塗るかなどが、細かく記載されています。一つひとつの製品にこのメモ書きがあることで、何年前に色付けしたものでも、完璧な再現が可能となっています。
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時間と手間を惜しまず、品質にこだわる
芸術品と称されるまでの加工技術。それは、少しの手間も惜しまない姿勢からうまれました。機械では表現できないハンドメイドクオリティへのこだわり。その噂は広まり、テレビなどのメディアの取材依頼や、服飾系の専門学校で使う教科書への掲載依頼が集まったほどでした。最近では、自社で加工を施した素材を使ったオリジナル製品の販売や、タンナーから寄せられる相談に、加工による解決法を提案するなど、さまざまな方法で、業界全体に影響を与え続けています。