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一生ものの革製品を世に送り出すために
昭和45年創業の(株)カナメが、墨田区に自社の染革工場を設立したのは平成元年のこと。クライアントに理想の革を提供したいという思いからの決断でした。イタリアをはじめとした海外レザーの入手が容易となり、製造工場の海外移転も進む現在においても、純国産にこだわり続ける同社。その最高傑作と言えるのが、国内でもトップクラスと言われる、北海道産ホルスタインの革を、自社で染め上げる『カナメレザー』です。顔料に頼らず、原皮が持つ個性や表情を残すことで、使い続けるうちに深い味となり、自分だけのアイテムへと経年変化していきます。
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世界と戦うために、競合ではなくチームへ
国内のレザー市場が縮小傾向にある現在だからこそ、各社の技術を集結させて、日本独自のモノづくりを世界に発信すべきだと主張するのが、取締役の佐久間氏。計量やアイロン、染め直しといった自社の技術を、同業他社に提供するなどして、協力体制の整備を進めています。また、自社の染革工場が、都内にあるというのも、同社のアピールポイントです。例えば、色味の調整依頼を受けた場合、同日内に都心部へと再納品するなど、迅速に対応。その結果として、幅広いお客様から、心強いビジネスパートナーとして選ばれ続けています。
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この地に息づいた職人の技を、後世に
大量生産・大量消費の時代の到来により、かつては周辺に点在した染革工場も激減。今では、牛の植物タンニン鞣しを行う工場は都内で同社だけになりました。その手法も、最低限の機械と、職人の手作業によって染め上げる昔ながらのもの。皮は一枚として同じではないため、熟練の技と経験だけが、最高の仕上がりをもたらします。逆境の時代においても自社工場を運営し続けることで、都内に残された数少ない技術と文化の継承者としての使命を果たしていきます。